生命保険の支払いが苦しい時の対処方法、払済保険とは？

こんにちは！ファイナンシャル・プランナーの伊藤美恵です。

今回は、生命保険の支払いが苦しい時の対処方法のひとつ「払済保険」について解説します。

保険料の支払いが万が一できなくなってしまうと、保険の契約が「失効」してしまうことがあります。

実は支払いが苦しい時こそ、払済保険という仕組みを使うことで、解決に向かう可能性が高まります。

金融機関等で生命保険の取扱いをしてきた筆者が、わかりやすく解説しますので、ぜひお役立てください。

払済保険とは？

また、生命保険の見直しをしたいけど、加入している保険を本当に解約しても良いのか、迷うこともあるでしょう。

そんなときに生命保険を継続する方法が「払済保険」です。

払済保険とは、生命保険を解約することなく、保険料の支払いを中止できる仕組みのこと。

保障額は減額となることが多いですが、保険期間を変えずに保険の契約を継続することができます。

「払済保険」との違いは、保障金額が変わらない代わりに、保険期間が短くなること。

以下のようなイメージです。

解約だけが、支払いを中止する方法ではありません。

ただし、すべての生命保険が払い済みにできるわけではありません。

払い済みにできる条件がありますので、次で詳しくみていきましょう。

払い済みにできる条件とは？

払い済みにするための条件は、解約返戻金があることです。

解約返戻金とは？

保険の解約時に受け取れるお金のこと。

払済保険の仕組みは、保険料の代わりに保険会社が積み立てていた解約返戻金を使うことで、保険料の支払いをなくすことができる、というものです。

ただし、すべての保険商品に解約返戻金があるわけではありません。

また、払済保険や延長保険への変更できない生命保険会社もあります。

払済保険の手続きを検討している場合は、契約中の保険が対象となるのか、保険会社に確認をしましょう。

続いては、払済保険の利用を検討したいタイミングについてみていきたいと思います。

払済保険を利用したいタイミングはいつ？

大きく2つのタイミングがあります。

【タイミング1】家計負担の増加や収入減で保険料の支払いが苦しい時

保険料の支払いを止めながら保障を継続することができるので、現在支払いが苦しいときはぜひ検討されるとよいでしょう。

【タイミング2】生命保険の見直しを検討したい時

何かのキッカケで生命保険を見直す際、解約時の解約返戻金をすぐに使う予定がなければ、払済保険に変更することも検討しましょう。

保障が減っても続けたいというときにおすすめです。

払済保険や延長保険のメリットとは？

2つのメリットがあります。

【メリット1】保障を継続しながら、保険料の支払いをなくすことができる

保険料の支払いが苦しい場合でも、解約することなく保険料の支払いを中止し、保障を継続できるのは大きなメリットです。

【メリット2】解約返戻金が増え続ける可能性がある

払済保険に変更しても、積み立てた保険料は生命保険会社によって運用されていきますので、解約返戻金（積み立て部分）が増えていく可能性があります。

払済保険や延長保険のデメリットとは？

【デメリット1】特約が消滅する

払済保険や延長保険に変更すると、今まで付加されていた特約が消滅します。

【デメリット2】払済保険に変更時、保障額が下がる

払済保険に変更した場合、保険期間が同じでも保障額は下がります。

【デメリット3】延長保険に変更時、保険期間が短くなることがある

延長保険に変更した場合、保障額は同じでも、殆どのケースで保険期間が短くなります。

まとめ

家計負担が増加するなど生命保険の支払いが苦しくなった場合でも、保障を継続しながら保険料の支払いをなくすことができる「払済保険」への転換は、魅力的な選択肢になり得ます。

払済保険へ切り替えることができる保険は、終身保険や養老保険、個人年金などの解約返戻金がある保険でしたね。