医療保険の見直しで損しない方法ってあるの?見直しの注意点

こんにちは!ファイナンシャル・プランナーの伊藤美恵です。

今回は、医療保険の見直しで損をしないために、押さえておきたいポイントを解説していきます。

医療保険に加入後、一定の期間が経過している方は、見直しの必要性について検討を始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、医療保険の見直しとは言っても、損しないための判断基準やタイミングなど、分からないことも多く悩んでいませんか?

医療保険は、適切に見直しができると保険料の無駄を削減することに繋がり、また、最新の医療技術に対応した保障内容にすることもできます。

伊藤 美恵

この記事では、そんな医療保険の見直しについて、実際に普段から数多くの保険相談を受けている筆者が、損しないための基本を解説していきたいと思います。

この記事を読んでいただくことで、具体的にやるべきことが見えてきます。

まずは、見直しによって、どんなメリットがあるのか、簡単に見ていきましょう。

この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
伊藤 美恵(いとう みえ)

大手証券会社窓口や生命保険会社勤務を経て、現在は独立系FPとして、セミナー講師・相談業務・顧問業・執筆等に従事。

これからの時代は、知らないことがリスクの時代。ライフプランニング(人生設計)とは、幸せな人生を生きるための戦略です。

私たち皆、「自分の人生の主役は自分」です。だからこそ、お客様の一度きりの人生を幸せに生きるためのサポートをしております。

目次

医療保険を見直すとどんなメリットがあるの?  

医療保険の見直しには、大きく2つのメリットがあります。

メリット

  • 保険料の無駄を削減できる
  • 最新の医療技術に対応した保障内容に変更できる

順番に詳しく見ていきます。

1. 保険料の無駄を削減

1つ目のメリットは、保険料の無駄を削減できる点です。

伊藤 美恵

医療保険は、あなたの年齢やライフスタイル、家族の有無などによっても、必要な保障やリスクが異なります

そのため、

ライフステージの変化に応じた保障内容に見直すことによって、無駄な保険料の削減ができる場合があります。

例えば、子どもがいる家庭の場合、病気やケガで働けなくなった場合に備えて、入院費用や生活費、教育費の補填の意味合いで、医療保険の保障を準備する必要があります。

ただし、子どもが社会人となり独立したら、子どもの生活費や教育費の補填は不要となるため、医療保険の保障も減額することで、保険料の無駄を削減できます。

2. 最新の医療技術に対応した保障内容に変更できる

メリットの2つ目は、最新の医療技術に対応した保障内容に変更できる点。

伊藤 美恵

医療の進歩によって、例えば大きな手術をした場合でも入院期間が短くなるなど身体的・経済的負担は減少傾向にあります。

そのため医療保険の加入時から長い期間が経過している場合には、保障内容が最新の医療と合わなくなっている可能性があります。

特に短い入院の場合は、加入当時に想定していた給付金を受け取れないこともあるので注意が必要です。

昨今では、短い入院でもまとまった一時金が受け取れる特約が付加された医療保険が、主流となりつつあります。

以上が、医療保険の見直しによる2つのメリットです。

適切に見直しができると保険料の無駄を削減することに繋がり、また、最新の医療技術に対応した保障内容にすることもできるため一石二鳥となります。

メリットがつかめたところで、逆に見直しをしなかった場合はどうなってしまうのか?損を防ぐためにチェックしておきましょう。

適切なタイミングで見直しをしないと損することも!?

適切なタイミングでの見直しをしないと、以下3つの損をしてしまう可能性があります。

  • 不要な保障を支払い続けることになる
  • より高い保険料で新しい保険に加入しなくてはならなくなる             
  • 医療保険選びの選択肢が狭まる

順番に見ていきます。

1. 不要な保障に対して、保険料を支払い続けることになる

適切なタイミングで見直しをしないと、不要な保障に対して支払い続けることとなり損をする可能性が高まります。

例えば、今まで守ってきた子どもが社会人として独立してもなお、病気やケガで入院した場合を考えてみます。

子どもの生活費や教育費を補填できる保障額を維持し続けているとしたら、見直すまで不要な保障分の保険料を支払い続けることになり、損してしまうことに繋がってしまいます。

2. より高い保険料で新しい保険に加入しなくてはならなくなる

保険料は年齢が上がるにつれて高くなるため、適切なタイミングで見直しができずに年数が経過すると、現在契約している保険の保険料よりも高い保険料で、契約変更などを余儀なくされる可能性が高まっていきます

3. 医療保険選びの選択肢が狭まる

年齢が高くなるにつれて、病気やがんなどの特定疾病、持病の進行などのリスクが高まるため、見直しが遅れてしまうと加入したい保険に加入できない、となることがあります。

伊藤 美恵

例えば、最新の医療技術に対応した保障を得るため加入しなおしたくても、病気があると、通常の保険に加入できず、持病があっても加入できる引受基準緩和型(限定告知型)の医療保険にしか加入できないこともあります。

引受基準緩和型(限定告知型)の医療保険は、通常の医療保険よりも割高の保険料となっており、なおかつ、年齢が高いと、経済的負担から加入を断念せざるを得ないこともあります。

だからこそ、適切なタイミングでの見直しは重要なのです。

適切なタイミングで見直しをしなかった場合のリスクを一通り押さえたところで、次からは具体的に、医療保険のタイミングはいつがよいのか?チェックしていきましょう。

具体的に医療保険の見直しタイミングっていつ?

人生には節目があります。大きく5つのタイミングがあります。

  • 就職したタイミング
  • 結婚したタイミング
  • 妊娠・出産のタイミング
  • 子どもが独立したタイミング
  • 生命保険に家族特約の医療保険が付いていることに気が付いたタイミング

就職したタイミング

就職して両親から独立して社会人になったタイミングで、医療保険の見直しをしましょう。

伊藤 美恵

社会人になると様々な責任も増していきますので、両親があなたのために加入していた医療保険を引き継ぐのか、新しく自分の医療保険を加入するのか考えましょう。

結婚したタイミング

結婚して守る家族が増えた場合など、医療保険の見直しをしましょう。

伊藤 美恵

あなたが病気やケガで入院することで、パートナーの生活に影響を与え、生活費が不足してしまう可能性もありますので、一日当たりの入院金額を増額した方が良い場合もあります。

妊娠・出産のタイミング

妊娠・出産などで、守る家族が増えた場合など、医療保険の見直しをしましょう。

子どもが産まれることで、子どもの生活(養育費や教育費等)を守るために必要な生活費が増えることから、親が病気やケガで入院することで生活費等が不足してしまう可能性もありますので、一日当たりの入院金額を増額した方が良い場合もあります

伊藤 美恵

女性の場合は、妊娠してからだと、医療保険の見直しができない場合がありますので、子どもが欲しいと思った段階で見直しましょう。

子どもが独立したタイミング

子どもが社会人になって独立すると、子どもの生活(養育費や教育費等)を守るために必要だった生活費が一部不要となることから、一日当たりの入院金額が多い医療保険に加入していた場合は、減額しても良い場合もあります。

生命保険に家族特約の医療保険が付いていることに気が付いたタイミング

医療保険が家族の生命保険の特約のみで準備されているケースです。

この家族特約の医療保障は保険料が安い傾向にあるため利用する人が多いのですが、同時に注意点もあります。

主契約者が亡くなった際に主契約の死亡保険金が支払われると、家族の医療保険の保障である特約も消滅してしまうことです。

例えば、夫の生命保険の特約で妻が医療保障を準備していたケースを考えてみましょう。

夫が亡くなった場合、同時に特約である妻の医療保障もなくなるため、妻は新規で医療保険に加入する必要が出てきます。

伊藤 美恵

しかし、このときの年齢によっては保険料が高い可能性もありますし、また持病がある場合も加入したい医療保険に加入できない可能性があります。

これは、医療保険の見直しを先延ばしにしたことで損をする可能性が極めて高いケースです。女性の平均寿命が年々伸びていることもあるため、できれば単独での医療保険への加入を検討されるとよいでしょう。


上記のように、

人生の様々なタイミングで医療保険の見直しをせずにいると、無駄な保険料を払い続けることに繋がり、損をする場合もあります。

見直しをするタイミングが分かったところで、具体的に自分に合った医療保険に見直しをする流れについて、4ステップにまとめましたので、チェックしておきましょう。

自分に合った商品に見直しをする4ステップ

自分に合った商品に見直しをするために、4ステップにまとめました。

  • ステップ1:現状の保障内容を正しく把握しよう
  • ステップ2:自分の年代で起こりやすいリスクを知ろう
  • ステップ3:月々支払える予算を把握しよう
  • ステップ4:具体的な保障内容を検討しよう

順番に見ていきましょう。

ステップ1:現状の保障内容を正しく把握しよう

ご自身の医療保険の保障内容や保障期間を確認したことはありますか?

知らず知らずのうちに、重複した保障や不要な保障に加入して損をしている可能性もありますので、一度、自身の保険の棚卸をしてみましょう。

ステップ2:自分の年代で起こりやすいリスクを知ろう

自身の持病や、自分の年代で起こりやすいリスクのある病気に対応した保障内容かを確認しましょう。

伊藤 美恵

特に40代を超えると、様々な病気のリスクが高まってきます。同時に、どんな治療方法を望むかもイメージして、医療保険も検討しましょう。

ステップ3:月々支払える予算を把握しよう

どんなに良い保険でも、月々の支払いが出来ないようでは困ってしまいます。

保険料と収入のバランスを考え、月々支払える予算かを把握しましょう。

ステップ4:具体的な保障内容を検討しよう

自分の持病や将来不安に思う病気に、医療保険の保障内容が対応しているか確認したうえで、見直しの検討をしましょう。

伊藤 美恵

また、年齢を重ねるごとに病気のリスクも高くなることから、更新タイプの医療保険よりも終身タイプの医療保険をおすすめいたします。

具体的に自分に合った医療保険に見直しをする4ステップの流れが分かったところで、最後に医療保険の見直しの注意点も一緒に見ていきましょう。

医療保険の見直しの注意点

以下がとても重要な5つの注意点です。

  1. 新しい契約が成立してから、現在の契約を解約する
  2. 増額が良いのか、新規加入が良いのかについては状況によって異なる
  3. 途中解約の場合、解約返戻金がない場合がある
  4. 保険更新時期に保険料が高くなる
  5. 支払う保険料ばかりを見て、保障内容を置き去りにしないようにする

順番に見ていきましょう。

【注意点1】新しい契約が成立してから、現在の契約を解約する

健康状態によっては加入できない保険商品もありますし、保険の審査が通らない場合もあります。

伊藤 美恵

保険の審査が通って契約が成立したら、現在加入している医療保険の解約をしましょう。焦って先に現在の保険契約を解約してしまうと、新しい保険に加入できなかった場合、無保険になってしまい非常に危険です。

新しい契約の成立→現契約の解約。この順番が大切です。

【注意点2】現在の契約を増額した方が良いのか、新規加入が良いのかについては状況によって異なる

現在の保険料を増額した方が良いのか、新規加入の方が良いのかは、健康状態も関係します。

また、医療保険の加入時から長い期間が経過している場合には、医療技術の進歩と比較して保障内容が合わなくなっている可能性があります。

この場合は、新規で「最新の医療が保障内容に反映された保険」に加入した方が良い場合がありますので、よく比較することが大切です。

【注意点3】途中解約の場合、解約返戻金がない場合がある

伊藤 美恵

途中解約の場合、解約返戻金が少なくなってしまう、もしくは解約返戻金がほぼないという可能性もありますので、解約前に必ず確認してください。

【注意点4】保険更新時期に保険料が高くなる

加入した医療保険によっては、「更新」がある場合もあります。

更新になっても、保障内容や保障額は変わりませんが、保険料が更新の都度、上がります。更新の際に、何も伝えなければ、「自動更新」されます。

更新したくない場合や、減額しての更新を希望の場合は、更新前に、保険会社へ連絡をして手続きが必要です。

更新型の仕組み

10年ごとに更新する場合

【注意点5】支払う保険料ばかりを見て、保障内容を置き去りにしないようにする

支払う保険料ばかりを見て、保障内容が置き去りにならないように注意してください。

保障内容から確認して、支払う保険料が高すぎれば、保障をそぎ落としていく作業をした方が保障全体のバランスが大きく崩れる可能性は低くなります。

重要な5つの注意点についてお伝えしました。以上の点を考慮しながら、医療保険の見直しを始めましょう。

まとめ

医療保険の見直しとは、現在のあなたのライフステージに応じた保険で、かつ最新の医療技術に対応した保障内容に最適化することでしたね。

医療技術は日々進歩しています。医療保険の見直しタイミングで、最新の医療技術に対応した保障内容に見直しましょう。

伊藤 美恵

人生の様々なタイミングで医療保険の見直しを怠ると、無駄な保険料を払い続けることに繋がり、損をする場合もありますので、ご注意くださいね。

ここでお伝えしたことを踏まえたうえで、あなたの医療保険の見直しを始めましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

伊藤 美恵(いとう みえ)のアバター 伊藤 美恵(いとう みえ) AFP認定者、マイアドバイザー®、2級ファイナンシャルプランニング技能士、日本証券業協会証券外務員一種

大手証券会社窓口や生命保険会社勤務を経て、現在は独立系FPとして、セミナー講師・相談業務・顧問業・執筆等に従事。

これからの時代は、知らないことがリスクの時代。ライフプランニング(人生設計)とは、幸せな人生を生きるための戦略です。私たち皆、「自分の人生の主役は自分」です。だからこそ、お客様の一度きりの人生を幸せに生きるためのサポートをしております。

目次