20代は、友人と遊んだり趣味を楽しんだりとプライベートが充実している一方で、社会に出てから年数が経っていない人も多く、収入面ではまだまだ伸び盛り、という人も多い年代かと思います。
そのため、保険について考える機会があまりなく、
- 自分は健康だから保険に入る必要はない
- 保険はもっと上の年代の人が入るものだ
と考えている人は少なくないと思います。
では20代に保険は本当に必要ないのでしょうか?
今回の記事では、金融機関で約10年間、保険の窓口販売を行なってきた筆者が、「20代の保険」について解説していきます。
この記事を読めば、
- 20代の保険の必要性の有無
- 20代のうちに生命保険に加入するメリット
- 具体的に検討したい保険
などがわかります。
宮城県出身。慶應義塾大学商学部卒。ファイナンシャル・プランニング技能士1級。
新卒で大和証券へ入社後、みずほ銀行など5社へ転職し、FPコンサルティング部部長や社長室室長などを経て独立。
金融機関の執筆記事の監修や、不動産会社でのセミナー講師、金融機関向けの動画制作など実績多数。金融初心者からは「難しいテーマでもわかりやすく理解できる」と好評。
20代で保険は必要?
はじめに、20代がどれくらい保険に加入しているのかを知るために、世代別の保険加入率についてみてみましょう。
この数字だけを見ると、「やっぱり20代には保険が必要ない」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、同じ20代でも人によって保険の必要性の有無は異なります。
20代で保険の必要性が高い人
それでは次に、保険の必要性が高い人はどんな人なのか?具体的に確認していきましょう。
貯蓄が十分でなく、経済的に不安な人
保険の目的は、万が一の時や不測の事態が発生した場合に、貯蓄だけでは足りない部分を補うことです。
では、どの程度の経済的余力があれば不要なのか?という疑問がわいてきます。
自分以外に養う人がいる
パートナーや子どもがいる場合には、ご自身に万一のことがあった場合に備えて、死亡保険を検討する必要があります。
しかし、未婚の方や、両親などほかにお金を残したい人もいない場合には、死亡保険は必要ありません。
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20代のうちに生命保険に加入するメリット3選
次に、20代のうちに生命保険に加入するメリットについて解説していきます。
以下の3つのメリットがあります。
- 貯蓄が少なく治療費で家計が圧迫されやすい状況をカバーできる
- 生命保険料が他の年代に比べて低い
- 健康な割合が高いため、選択肢が多い
①貯蓄が少なく治療費で家計が圧迫されやすい状況をカバーできる
20代のうちは健康についての不安を抱える人は少ないとは思いますが、病気やケガはいつ起きるか分かりません。
②生命保険料が他の年代に比べて低い
20代から保険に加入することで、お得な保険料で保障を受けることができます。
これは年齢が上がるにつれて、病気やケガ・死亡リスクが上昇するため、それに応じて保険料が高くなるためです。
その点、20代は他の世代に比べて健康の人の割合が高いと考えられているため、保険料が低く抑えられています。
早いうちに加入することで、生命保険料を安く抑えることができます。
③健康な割合が高いため、選択肢が多い
生命保険の契約をする際には、告知を行って審査に通過する必要があり、その告知事項は、おおむね以下のような質問が多いです。(保険会社によって基準は異なります)
- 過去に病気になった経験があるか
- 最近、病院で検査・治療を受けたか
- 人間ドックで結果が悪く、再検査などを行った経験があるか
- 喫煙歴はあるか
- 現在妊娠しているか
ご覧の通り、基本的には契約者の過去の病気に関することを軸として質問してきます。
30代以降は、ストレスや運動不足などの原因により、健康状態があまり良くない人も増えてきますので、審査にも通りにくくなります。
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では、20代はどのような保険の加入を検討した方が良いのでしょうか?詳しく解説してきます。
20代が具体的に検討したい保険とは?
死亡保険(定期保険・収入保障保険など)
検討した方が良い人:パートナーや子どもがいる人
万が一亡くなった場合には、生活費の他に、葬儀費用総額が平均110.7万円(*1)、お墓建立費用が全国平均169.3万円(*2)などの費用も必要になります。
*1【葬儀費用】いい葬儀社「【第5回お葬式に関する全国調査】(2022年)」より
*2【お墓建立費用】一般社団法人 全国優良石材店の会「2022年お墓購入者アンケート調査」より
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学資保険
検討した方が良い人:子どもがいる人
基本的に親が契約者となり、契約者に万一のことが起きた場合や、子どもの入学や進学にあわせて、教育資金・満期保険金が受け取れるようにする仕組みです。
就業不能保険
検討した方が良い人:病気やケガで働けなくなったときに、生活費を賄える貯金がない人/住宅ローンに就業不能への備えがない人
就業不能の状態の定義は保険会社によって異なりますが、
- 入院している
- 在宅療養している
- 障害等級1級または2級に認定された状態
などが挙げられます。
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民間の医療保険
検討した方が良い人:病気やケガで入院や通院が必要になった時に、医療費を支払うと生活に支障が出る人
医療保険には国の制度である「公的医療保険」と「民間の医療保険」の2つに分けることができます。
日本では、健康保険か国民健康保険に加入しているため、基本的には3割の自己負担で病気やケガの治療を受けられ、高額療養制度を利用できますが、それでも入院時には、経済的に大きな負担になる可能性もあります。
民間の医療保険はそれをカバーするための商品です。自己負担分の費用や、入院した際の治療費以外の費用負担等を軽減します。
入院した際の治療費以外の費用の例
- 食事代
- 差額ベッド代
- 家族のお見舞いの交通費
- 入院着のレンタル費
- 日用品等 など
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それでは最後に、20代で保険に加入する場合に押さえておきたい、保険選びのポイントについて解説していきます。
20代での保険選びのポイント
保険料
保険料はご自身の生活に支障が出ない範囲の金額にすることが大切です。保険料は途中で払えなくなってしまっては意味がありません。
20代の払込保険料の平均額は下表の通りです。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
年額 | 147,000円 | 114,000円 |
月額 | 12,250円 | 9,500円 |
もちろん、収入や家族構成等によって、毎月支払うことができる保険料は異なりますが、保険選びの際の参考にしてもらえればと思います。
保障期間
保険には、保障が一生続く「終身型」、保障期間が一定の期間続く「有期型(定期型)」があります。
ただし、有期型(定期型)の保険に加入して30代で保障期間が終了した際に、再度保険に加入しようとした時には、「30代の有期型(定期型)の保険料>20代の終身型の保険料」という可能性もあります。
この場合、20代のうちに終身型保険に加入していた方が、全体的な支払い保険料を抑えることができるという結果になります。
ご自身のライフステージも考慮しながら保障期間を選ぶことが大切です。
まとめ:20代でも保険加入を検討した方が良い人もいる
今回は「20代の保険」について解説してきました。
20代は他の世代に比べると、保険加入率が低く、保険に対して積極的に考える機会があまりなかった人も多いかと思いますが、人によっては保険の加入を検討した方が良い場合もあります。
ご自身の貯蓄や今後のライフプランも含めて、保険については一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。