こんにちは!ファイナンシャル・プランナーの菊地学です。
がんは、日本人の2人に1人は一生のうちにかかると言われているメジャーな病気です。罹患すると再発などの可能性もあるため、一般的に多額の治療費がかかります。
そのため、万一に備えてがん保険を検討されている方も多いかと思います。
ただしがん保険には審査があります。加入希望者が全員がん保険に加入できるわけではありません。そのため、審査に通るかどうか不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事を読めば、がん保険の告知書とは何か、告知が必要な理由、審査基準、審査に通らない場合の対処法について分かります。
宮城県出身。慶應義塾大学商学部卒。ファイナンシャル・プランニング技能士1級。
新卒で大和証券へ入社後、みずほ銀行など5社へ転職し、FPコンサルティング部部長や社長室室長などを経て独立。
金融機関の執筆記事の監修や、不動産会社でのセミナー講師、金融機関向けの動画制作など実績多数。金融初心者からは「難しいテーマでもわかりやすく理解できる」と好評。
がん保険の審査とは?
保険会社は、医療保険など他の保険と同様に、がん保険に加入する際に、健康状態や既往歴を保険加入希望者に申告してもらい、審査を行います。この申告手続きを「告知」と言います。
告知書は保険会社によって告知の文言は異なりますが、基本的には「はい」「いいえ」で回答する形式が一般的です。
通常、保険会社は、医療保険の場合は「ケガや病気のリスクがどれくらいあるか」を幅広く確認しますが、がん保険の場合には、がんのリスクがどれ位あるかを中心に確認します。
そのため、告知書の申告内容が原因で医療保険など他の保険に加入できなかった方でも、がん保険には加入できる場合があるのです。
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告知はなぜ必要なの?
告知が必要な理由は、
です。
例えば、がんに罹患してしまった人がいたとします。
もし告知書がなかったら、申し込み時点ではがんに罹患していないことにして、保険加入後にがんに罹患したことにしてしまえば、いきなり保険金・給付金がもらえることになってしまいますね。
そういう人が増えると、真面目に毎月保険料を支払っている人との公平性は失われますし、保険会社は保険金・給付金を想定以上に支払う必要が出てきてしまいます。場合によっては倒産してしまう恐れもあります。
それを防ぐために、告知が必要というわけです。
がん保険の告知書はどのようなことが聞かれるの?
保険会社によって基準が少し異なりますが、おおむね以下の内容が質問されます。
- 過去にがんになった経験があるか
- 最近、病院で検査・治療を受けたか
- 人間ドックで結果が悪く、再検査などを行った経験があるか
- 喫煙歴はあるか
- 現在妊娠しているか
どの保険会社も過去のがん経験について質問してくる点は共通していますが、基本的には契約者の過去の病気に関することを軸として質問してきます。
質問の中には、該当すると詳細に回答する必要がある項目も。その場合、病気やけがの名前、治療期間、医療機関や投薬を行なっているかどうかなどを詳細に回答する必要があります。
記載しなくてはいけない過去の病気の経験や治療期間は、保険会社により異なりますが、直近3ヶ月や2年以内が一般的です。ただし過去5年など、長い期間を設けている場合もあります。
普段から、病気になった時の診断書や領収書などを保管しておくと、がん保険の告知書を記入する際には便利です。またお薬手帳があると投薬があったかどうかが分かるので、こちらも便利ですね。
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なお、告知書の内容で不十分と判断された場合には、健康診断書の提出や保険会社指定医師による健診が必要な場合もあります。
続いて、がん保険で大切な「免責期間」に関するポイントをみていきましょう。
がん保険の免責期間とは?
がん保険には保険会社が保障をしない期間である「免責期間」も存在します。
がん保険の免責期間は、基本的に「契約後90日間または3ヶ月間」とされています。
こちらの制度も告知と同様に、モラルリスクを防ぐことを目的にしています。
例えば、体調が悪化してがんの可能性がある人がいたとします。
もし免責期間がない場合には、先にがん保険に入った後にがんと診断されれば、加入直後に保険金・給付金をもらえることになってしまいます。
この場合も真面目に毎月保険料を支払っている人との公平性は失われ、最悪保険会社の倒産にも繋がる可能性が出てきてしまいます。
免責期間はそれを防ぐために必要なのです。
告知書で嘘をつくとどうなるの?
当然、それまでに支払った保険料も返還されませんのでメリットは何もありません。
過去の病気についても、正しく保険会社に回答することが大切です。もし告知書を記入していて判断に迷うことがありましたら、保険会社の担当者やコールセンターに必ず確認するようにしましょう。
ちなみに保険金・給付金の不払い事由として、
というものもあります。
これは医師の診断書を偽造して保険会社にがん保険金の請求を行った場合などが考えられます。
当然ですが、この場合も告知書で嘘をついていなかったとしても、保険金は受け取れません。
がん保険の告知と審査の結果の傾向は?
がん保険の審査基準は保険会社により多少異なりますが、一般的に以下のような傾向があります。
冒頭に申し上げたように、がん保険では、加入希望者にがんのリスクがどれ位あるかを中心に保険会社は確認します。
そのため、がんのリスクが高い人ほど加入の可能性は低くなり、リスクが低い人ほど加入の可能性は高まります。
がんは一度治療が終わっても、転移や再発の恐れがありますから、審査においては、がんの既往歴が特に重視されているというわけですね。
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がんに罹患するリスクが高くなる病気はどんなのもの?
がんに関連する病気の一例として、
- 慢性気管支炎
- C型肝炎
- 肝硬変
などが挙げられます。
そのため、これらの病気に罹患したことが理由でA社のがん保険に加入できなかったとしても、B社のがん保険には加入できるということもあります。
審査に通らない場合はどうすれば良い?
審査に落ちた場合の対処法は2点考えられます。
- 他の保険会社のがん保険を検討する
- 審査基準の緩い「引受基準緩和型医療保険」を検討する
【対処法1】他の保険会社のがん保険を検討する
前述の通り、審査基準は保険会社によって異なります。
そのため、A社のがん保険には加入できなくても、B社のがん保険には加入できるという場合もありますので、他の保険会社のがん保険は探して申し込んでみる価値はあるかと思います。
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【対処法2】審査基準の緩い「引受基準緩和型医療保険」を検討する
引受基準緩和型医療保険とは、
です。
引受基準緩和型医療保険は、通常の医療保険より保険料は割高ですが、告知項目は少なく、引受基準が緩和されているので、持病がある人や病歴が多い人でも、必要な保障を備えやすいことが特徴です。
引受基準緩和型医療保険の中には、がん経験者でも加入できる商品もありますよ。
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まとめ:健康なうちにがん保険は検討してみる価値あり
今回はがん保険の告知、免責期間、審査基準、審査に落ちた場合の対処法などについてご紹介してきました。
がんは日本人にとっては非常に身近な病気です。誰もが罹患してしまう可能性は十分にあります。
がん保険には健康なうちにしか加入できません。
もしがんになった場合にどうするか一度考えてみてはいかがでしょうか。