iDeCo(個人型確定拠出年金)について、2022年に3つの大きな改正が実施されます。
その内容を知った人から、
- 「100年時代の人生に備えられる方法が充実しますね」
- 「早速、有効活用し、将来の安心材料や今の節税の手段にしたいです」
といった声を聞いています。
制度はいったいどのように変わるのか、そのポイントを見ていくことにしましょう。
受取開始可能年齢の上限引き上げ(2022年4月実施)
まず1つ目は、受け取り可能年齢の引き上げです。
2022年3月までは、iDeCoで貯めた積立金は、60歳から70歳の間で各人が好きな時期から受取りを開始できました。
これが2022年4月から、60歳から75歳の間に変わりました。
今まで70歳となっていた公的年金の繰下げ受給の上限年齢が2022年4月から75歳に引き上げられましたので、それと合わせた形となります。
この改正により、
60代はまだ給与収入があり、貯蓄もあるため70歳になってもすぐにiDeCoの積立金を受け取る必要がない
という方や、
75歳から20年間に分けて年金形式で定期的に受け取りたい
などの選択も可能になったわけです。
iDeCoは運用益が非課税になる制度です。iDeCo口座にできるだけ長く積立金をおいておけることで、制度の特典をそれだけ受けられることになります。
人生100年時代といわれる現在、ニーズを反映した改正といえます。
加入可能年齢の拡大(2022年5月実施)
2022年3月までは、iDeCo掛金の積立てができるのは60歳まででした。これが2022年5月からは65歳まで積み立てられるようになりました。
iDeCoの掛金は全額所得控除になるため、所得があれば税制のメリットも受けられます。
ただし、65歳になるまでiDeCoに加入できるのは、60歳以降も働いて厚生年金に加入している方や国民年金に任意加入している方に限られます。
企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和(2022年10月実施)
企業型DCに加入している方の場合、iDeCoに加入できるのは勤務先の労使合意でiDeCoの加入を認める規約の定めがあるなどの一定の要件が必要でした。
ところが、2022年10月からは、規定の定め等を不要にすることで、それまで加入できなかった方もiDeCoに加入できるようになります。
ただし掛金には限度額があるため、自分の場合はいくらまで積み立てられるかは、勤務先あるいは、企業型DCの加入者向けウェブサイトなどで確認してみましょう。
企業型DCの掛金に加えて、自分でもiDeCoに掛金を出せるのであれば、所得税・住民税を節税しながら老後の備えが実現できます。
マッチング拠出(企業型DC)とiDeCo加入の選択(2022年10月実施)
今まで、勤務先がマッチング拠出を導入している場合、企業型DCの加入者はiDeCoに加入できませんでした。
マッチング拠出よりiDeCoを選んだ方が、掛金をたくさん積み立てられる場合があるので、まずは掛金の上限額を勤務先に確認しましょう。
マッチング拠出かiDeCoか、どちらを選ぶかにあたっては、
- 運用商品ラインアップ
- 手数料
に注目しましょう。
企業型DCでは、勤務先が選んだ金融機関が提示する運用商品ラインアップの中から商品を選択しなければなりません。
ただし、負担する費用については要注意。
たとえどの金融機関を選んでも、iDeCo加入時には2,829円の初期費用と、それ以降、iDeCoの口座を利用している間は月額171円の手数料が掛金から引かれます。さらに金融機関によっては、別途所定の手数料がかかります。
口座を持っている間、ずっと引かれるランニングコストといえますので、長い目で比較して決めることが大切です。
まとめ
iDeCoの制度が益々充実しています。
早めに、無理のない金額の積立を始めて継続することで、しっかり老後のお金を準備することができます。
iDeCoの上手な活用は、人生100年時代を安心して過ごせることにつながることでしょう。
執筆:2022年5月