つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などで、投資信託の積立を行っている方も多いのではないかと思います。
ただ、専門用語や、収益にも直結する手数料・税金についてなかなか理解できずに困っている人も多いのではないでしょうか?
これらの情報を正しく知ってから資産運用を実践することで、知らない時と比べて、より大きな資産形成ができる可能性が高まります。
そこで本記事では、投資信託の値段である「基準価額」や手数料、税金についてご説明します。
早速みていきましょう!
投資信託の値段、基準価額(きじゅんかがく)について理解しよう
基準価額を理解しておくと、投資信託の運用成果がわかります。
何かモノを買うときには、それがいくらなのか、値段を確認してから購入される方が多いと思いますが、投資信託の値段は「基準価額」と呼ばれており、1日1回計算して公表されています。
購入する人も売却する人も、同じ1つの基準価額で取引するのですが、注文を出す時点では基準価額が公表されない「ブラインド方式」となっています。
基準価額は、投資信託の資産総額から費用などを差し引いた純資産総額を、その日の総口数(正確には受益権総口数)で割ったものです。
投資信託の購入・売却や保有状況は「口数」で管理され、基準価額は通常1万口あたりの価格で表示されます。
投資信託が新しく設定されるときには、基準価額が10,000円からスタートすることになっていますので、基準価額を確認すると、設定以来どのくらいの運用成果になっているかがわかります。
投資信託の運用にかかる費用・税金は?
投資信託を購入すると、購入する時、保有している時、売却する時といったそれぞれのタイミングで費用がかかります。手数料は投資信託によって様々です。
購入時にかかる費用
投資信託を購入する時に、販売会社に対して支払うのが「販売手数料」です。
一般的に購入金額に対して一定割合(0~3%程度)を乗じた金額となります。
保有時にかかる費用
投資信託の運用や管理の費用で、すべての商品で必ずかかります。毎日の基準価額を計算する時に、投資信託全体の資産から1日分ずつ差し引かれます。
売却(または購入)時にかかる費用
投資信託を売却(または購入)した時に発生した費用を、売却(または購入)する投資家が負担する費用を「信託財産留保額」といいます。一部の投資信託でかかる場合があります。
税金
投資信託の中には定期的に分配金が払われるものもありますが、分配金を受け取る際には20.315%の税金(所得税・復興特別所得税、地方税)がかかります。また、解約した時に利益が出ていた場合にも同様に税金がかかります。
なお、確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)やつみたてNISAは、利益が非課税になる制度のため税金はかかりません。
特に信託報酬をチェックする!
投資信託が運用されていくためには、運用会社、信託銀行、販売会社という3つの金融機関が携わっています。
これら3つの金融機関に支払う報酬が信託報酬です。(投資信託の運用の仕組みついては、以下の記事をご覧ください)
これは年率何%という形で表示されるのですが、ほとんどゼロ%に近いものもあれば、高いと3%くらいのものもあります。
長期的な運用では運用成果に影響のある費用になりますので、確認しておくことが大切です。
例えば、100万円を利回り4%で30年間運用した場合に、信託報酬が0.0~2.0%と変化すると、次のようになります。
信託報酬が0%なら324万円ですが、2.0%だと181万円まで低下してしまいます。
もちろん信託報酬に応じてそれを上回るリターンが実現できれば問題ないのですが、費用は確実に発生するものですので、投資対象はもちろんのこと、信託報酬を意識して商品選択をすることはとても重要です。
まとめ
一般的に資産形成を初めてやる方には投資信託がおすすめと言われていますが、投資信託と言っても様々な専門用語が出てきて、難しい言葉もあるかと思います。
投資信託の中でも基準価額の計算方法や考え方や、手数料の基本を理解しておくことは非常に大切です。ぜひしっかりと理解しておくようにしましょう。
投資信託を上手に活用して、資産形成していただければと思います。