定期と終身はここが違う!【ケース別】生命保険の最適な選び方

この記事はこんな方へおすすめ!
  • 結婚や出産で保障を考え始めた方
  • 定期保険と終身保険の特徴を押さえて効果的に保険に入りたい方
  • トータルコストを減らす保険加入の方法を知りたい方
まずは結論から!記事の要点をざっくり解説
  • 押さえておきたい保険加入の目的は【死亡(高度障害)保障の確保】
  • 定期保険が向いているケースと、トータルコストを減らす加入のポイント2つ
    • ケース1:一定期間の大きな保障を割安な保険料で準備したい人
    • ケース2:NISA / iDeCoなど資産運用を始めた(始めようとしている)人
  • 終身保険が向いているケースと、トータルコストを減らす加入のポイント2つ
    • ケース1:ライフステージが変わっても保障をずっと確保したい人
    • ケース2:葬儀費用や相続を見据えた人
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
伊達 有希子(だて ゆきこ)

国内金融機関を経て 2013 年に独立系 FP 事務所を設立し現職。

有料でのライフプラン作成や資産運用の提案などの FP 業務のみならず、マイナビウーマンなど情報メディアへの執筆活動、セミナー講師などの活動も数多く行っている。

親しみやすくわかりやすい資産形成の伝え方が、一般消費者より大変好評を得ており、30~40 代世帯を中心とした多くの FP 顧問契約も保有。

目次

最初に定期保険と終身保険の違いをざっくりカイセツ

定期保険とは?

定期保険は、一定の保障期間で、その期間内に万が一のことがあった場合に死亡保険金が受け取れます。

保障期間は、

  • 年満了(10年・15年など)のもの
  • 歳満了(60歳まで、70歳までなど)のもの

があります。

そして保険料は、保険期間中は変わらないタイプが主流です。

また解約返戻金は、無いか、あっても僅かな場合が多いでしょう。

保険期間の特徴として、

  • 高齢(90歳や100歳)まで保険期間が続く「全期型」
  • 1年ごとや10年、15年単位で更新を迎える「更新型」

があります。

定期保険は、「子供が成人するまで」「自分の退職時まで」など、一定期間の死亡保障を準備したい時や、保険料を抑えて高額な保障を準備したい時に向いています。

伊達 有希子

保険料は掛け捨てになるので、必要保障額等を参考に、必要な期間に必要な額だけ保障を活用したいですね。

逆に、

  • 一生涯の保障を準備したい
  • 解約しても解約返戻金をしっかり受け取りたい

という場合は、次に紹介する終身保険の方が向いているでしょう。

終身保険とは?

終身保険の場合、保障期間は一生涯です。

保険料は、

  • 一定の年齢や機関で満了する有機払い込みタイプ
  • 一生涯払い続ける終身払いタイプ

があります。

終身保険は更新がないので、加入時の保険料を払い続けることになります。

保険に加入した被保険者に万が一のことがあると、保険金の受取人に死亡保険金が支払われます。また途中で解約した場合も、払い込んだ保険料の額に応じて解約返戻金が受け取れます(短期で解約した場合は除きます)。

伊達 有希子

加入時の保険設計書には解約返戻金解約返戻率の表が載っていますので、保険証券と同様、大切に保管しておくと後で見返すことができるので便利です。

終身保険は一生涯保険が続く安心が得られます。将来の保険金や給付金の支払いに備えて積立の機能もあり、途中で解約しても払い込んだ保険料が解約返戻金として戻るため、掛け捨てにはなりません

ただその反面、定期保険に比べると保険料は割高で、すべて終身保険で賄おうとすると必要な保障が買えないということも想定されます。

「違い」よりも保険加入の目的を大切に!

定期保険、終身保険に共通する保障の機能は、「死亡または高度障害になった時に保険金が支払われる」というものです。

伊達 有希子

つまり、目的は遺された家族のための保障」ということですね。

具体的には、結婚して配偶者が出来た場合や、出産して子供が産まれた場合など、残された遺族に自分に万が一のことがあった場合の備えとして、加入を検討するのが一般的です。

商品それぞれの特徴や違いも大切ですが、定期保険と終身保険はどちらが良い・悪いというものではありませんので、「何の目的で加入するのか?」を考えることで、保険選びがしやすくなるでしょう。

それでは次に、より具体的に定期保険と終身保険が向いている人を、ケース別にみていきたいと思います!目的を考える上で参考にしていただければ幸いです。

定期保険が向いている人(ケース)とは?

定期保険は終身保険と違い、満期がありますので、一定期間だけ保障を厚くしたいという場合に便利です。

例えばこんなケースの方にオススメです。

【ケース1】一定期間の大きな保障を割安な保険料で準備したい人

例えば、子供が成人するまでの保障を確保したいという場合、掛け捨てにはなりますが定期保険がおすすめです。

保険料を抑えながら、大きな保障を確保することができるからです。

また、同じように高額な保障を割安な保険料でカバーする保険に、収入保障保険というものもあります。

一定額の保険金を毎月受け取ることができるため、

  • 住宅ローンの団体信用生命保険の代わりに加入する
  • 遺された家族の生活費や教育費等に充てる

など、特に子供がいる世帯は活用しやすい保険でしょう。

定期保険は、期間が決まっていることや、解約返戻金がない(あっても僅か)なことから、保険の見直しもしやすくなっています。

伊達 有希子

ライフイベントが変わりやすい子育て世帯にはオススメの保険です。

【ケース2】NISA(ニーサ) / iDeCo(イデコ)など資産運用を始めた(始めようとしている)人

自分でNISAやiDeCoなどの資産運用をしている場合も、定期保険の利用がおすすめです。

保険料を抑えた分、余裕資金が増え、それを投資に回すことができるからです。

伊達 有希子

自分で資産運用できる方の場合は、終身保険を活用して貯蓄を兼ねるよりも、割安な保険料で保障を準備し、貯預金と資産運用を適宜組み合わせた方が効率的といえるでしょう。

定期保険をかしこく選ぶポイントは?

【ポイント1】全期型を選ぶ

定期保険は、全期型と更新型があると冒頭でもお伝えしましたが、

期間が決まっているものは全期型で加入した方が一般的にお得です。

更新型は更新のたびに保険料が上がってしまい、年齢が上がれば上がるほど保険料が高くなります。そのため保障を減らして調整する方が多いのですが、本来は保障を確保するために保険に加入したはずです。

伊達 有希子

全期型であれば保険期間中の保険料は変わりませんので、ある程度将来を見据えて、全期型での加入をおすすめします。

【ポイント2】リスク細分型を検討する

最近ではリスク細分型の商品が増えているので、比較検討しましょう。

リスク細分型とは、喫煙者かどうか、健康かどうか、という基準を保険会社ごとに設け、それに応じて保険料も変えるというものです。

この基準によって、同じ保障内容でも保険料に大きな差が出ます。

伊達 有希子

煙草を吸わない、健康診断の評価が良い、という方は、リスク細分型の定期保険を選ぶと保険料がよりお得になる可能性がありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

終身保険が向いている人(ケース)とは?

終身保険は満期がなく、一生涯の保障が手に入ります。また解約返戻金があるのも特徴なので、以下のようなケースでおすすめです。

【ケース1】ライフステージが変わっても保障をずっと確保したい人

終身保険は、一生涯保障が続くのが特徴です。

人生100年時代と呼ばれる現在において、人生の4大資金と言われる「住宅・教育・老後・介護」というライフイベントをこなしていくために、余裕があれば一生涯守ってくれる保険もあると安心でしょう。

まず、ある一定期間、保障を継続すれば、解約時に解約返戻金が戻ってくるメリットがあります。

また、

  • 部分的な解約をして保険料を削減する(減額)
  • 解約返戻金を担保として、一時的に保険会社からお金を借りる(契約者貸し付け)
  • 今まで支払った保険料に応じた保障内容に変更して、以後の保険料負担をなくす(払い済み)

といったことも可能です。

伊達 有希子

減額や払い済みについては、一度実行すると契約を元に戻すことはできない点は注意が必要ですが、人生100年時代のライフステージの変化を考えると色々な使い方が出来るのはメリットと言えますね。

【ケース2】葬儀費用や相続を見据えた人

終身保険なら、長生きしても死亡保障が準備できます。

伊達 有希子

例えば葬儀費用などを確実に準備しておきたい人は、中途解約しない限りは確実に遺族に保障が残せるので、メリットと言えますね。

また相続対策を考えている人にも向いています。相続対策は主に、

  1. 納税資金対策
  2. 分割対策
  3. 節税対策

の3つがあります。1つずつ確認していきましょう。

①納税資金対策

資産が不動産などに偏っている場合、「納税するためのお金がない」ということになりかねません。

終身保険で死亡保険金を準備しておけば、遺された家族が不動産を売却することなく納税資金の確保ができます。

②分割対策

加入時に終身保険の受取人を決めておく(複数可)ことで、余計なもめごとを避けることができます。

また一人が相続財産を受け取ったとしても、保険金を活用して代償分割をする方法が可能です。

③節税対策

死亡保険金を法定相続人が受け取る場合「500万円×法定相続人」の額が非課税になります。現金ではなく、保険に形を変えるだけで相続財産の計算から外すことができます。

終身保険は「払い込み期間を短くする」のが選ぶコツ!

終身保険の保険料の支払い方は、

  • 終身払い
  • 短期払い

の2種類があります。

短期払いは、終身の保障を短い期間で払い込む(10年や15年、60歳までなど)ので、終身払いに比べて保険料は高くなりますが保険料総額は抑えられます

伊達 有希子

現役時代に保険料をすべて払ってしまえば、退職後は保障を継続しつつ保険料の支払いを心配しなくていいので安心ですね。

払い込みが終わると保険会社の運用利回りがプラスされるので、解約返戻金が多くなる点もメリットです。

まとめ

今回は定期保険と終身保険の違いから選び方まで網羅的に解説しました。

伊達 有希子

保障の期間が限定的で手厚い保障なら定期保険、一生涯に渡る保障で貯蓄性も重視したいなら終身保険、というところでしょうか。

また、万が一の必要保障額については、一度計算されてみることをおすすめします。

結婚や出産で保障を考え始めた方、定期保険と終身保険の特徴を押さえて効果的に保険に入りたい方、保険料の損得だけではなく、我が家に合った保険加入の方法を知りたい方のご参考になれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

伊達 有希子(だて ゆきこ)のアバター 伊達 有希子(だて ゆきこ) ファイナンシャル・プランナー

国内金融機関を経て 2013 年に独立系 FP 事務所を設立し現職。

有料でのライフプラン作成や資産運用の提案などの FP 業務のみならず、マイナビウーマンなど情報メディアへの執筆活動、日本 FP 協会主催の現役 FP に対してのセミナーや証券会社とのタイアップ企画となるYouTube のライブ配信への出演など、講師としての活動も数多く行っている。

親しみやすくわかりやすい資産形成の伝え方が、一般消費者より大変好評を得ており、30~40 代世帯を中心とした多くの FP 顧問契約も保有。女性向けファッション誌 Marisol の「美女組」ブロガーとしても活躍中!

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